メモしておきたい!木質バイオマスボイラー導入までの4つのStepの解説
こんにちは、合同会社もりほっと代表の小川です。
木質バイオマスボイラーは、灯油やガスなどを削減し、木材の燃料である木質燃料でエネルギーを利用することで、光熱費削減やCO2排出を削減する機械です。
詳しく知っておきたい方はこちらの記事もどうぞ
最近では、原油価格の高騰や地球温暖化防止への対策から、
自社の工場や施設に木質バイオマスボイラーを導入する企業も増えています。
ただ、
実際に自分でもやろう!
と思っても、
「何から手を付けたらいいのだろう・・・?」
「そもそも、燃料はどこから買って、どのくらい買えばいいの? 」
と、五里霧中に陥ってしまうのではないでしょうか?
そんな企業の担当者でも、建設的に取り組んで頂けるよう、
木質バイオマスボイラー導入に向けた流れをまとめてみました。
この記事の内容
- バイオマスボイラー導入の全体の流れについて
- 1.構想:化石燃料と木質バイオマス燃料の量を知る
- 2.設計:工事の前に実施設計・見積もりを作成
- 3.工事:施工業者への発注~試運転で効果を確認
- 4.運用:メンテナンスとともに、関係者どうしで定期的な改善や対策を行う、。
- ここが気になる!というときは
この記事を呼んで頂くことで、
「まずは、ここからやろう」
「ここまでやって、実際に導入するかどうか決めよう」
と判断の目安になれば幸いです。
バイオマスボイラー導入の全体の流れについて
木質バイオマスボイラーの導入では、
木質バイオマス燃料(木質チップ、ペレット、又は薪など)がどのくらい必要か、
この燃料に置き換えた時に経済的にメリットがあるのか、
など、いくつかのチェックポイントを押さえて進めていくことが重要です。
弊社は、お客様と事業提案を考える際は、
以下のような4つの流れで進めていくことをお勧めします。
それぞれのステップのなかで、検討すること・決めておくことを把握しておくと、
ミスなく進められるのでは、と思います。
流れ | やること | 決めること |
1.構想 | 対象施設での、化石燃料の使用量を知る 地域周辺でバイオマス燃料(チップ等)の調達候補を探す | どのくらいのバイオマス燃料が必要か どんな燃料が調達できそうか |
2.設計 | 対象施設での、エネルギー利用の詳細 設計図の作成(通常は、設計会社に委託) 補助金などで自己負担の軽減策を検討 | 調達できるバイオマス燃料に合うバイオマスボイラーを決める 配置や接続の計画・おおよその予算を調べる 工事費への補助金申請、10年程度の収支予測を作る |
3.工事 | 施工業者へ工事を発注 | この間に、燃料調達や点検・メンテナンスの詳細を決める。 (補助金を適用する場合は、実績報告等の書類提出など) |
4.運用 | 燃料の購入・メンテナンスを計画通り実施する。 | 定期的に、予測との差を確認して、対策や改善をしていきましょう。 |
こうしてみると、それぞれにやることが出てきますね。
一つひとつ、詳しくご説明していきますね。
1.構想段階
いま化石燃料を使用する施設で、木質バイオマスボイラーを導入しようとしたときに、まずは今の化石燃料の使用量を調べて、どのくらいの燃料が木質燃料に転換できるのか、考えます。
化石燃料に代わる木質バイオマス燃料の必要量がおおよそ把握できると、こんなことの目星がつけられます。
- 木質バイオマス燃料が周辺地域で入手できるのかどうか(あまりに多すぎると、周辺地域で買えない、ということもあります)
- 化石燃料の削減額と木質バイオマス燃料の購入額がわかるので、年間の光熱費削減額が予測できる
- 同様に、CO2削減量の予測ができる。
- 木質バイオマスボイラーの必要能力がわかるので、どのくらいのスペースが必要かわかる
これらは、木質バイオマスの燃料調達・燃料転換・経済性について規模感や効果を知ることになります。
まずは、「導入や調査の前に、期待する効果や実現性があるのか」を知っておくということです。
これだけであれば、経験のある専門家であれば1か月もあれば試算が出来るのではないでしょうか。
あまり、詳しい調査を時間をかけて実施して、結局「できません」「効果が小さい」となってしまうのは、時間がもったいないですから。
2.設計段階
ある程度、木質バイオマス燃料に転換した際の効果を把握したら、次は具体的に設計を行います。
構想に基づいて、設計に必要な検討事項は、
「バイオマスボイラーなどの機器配置」「工事に必要な予算」「木質バイオマス燃料の調達」についてです。
「機器配置」は、バイオマスボイラーにどう配管をつなぐのか、
電源をどこから得てどうつなぐか、などを明確にします。
バイオマスボイラーにどう配管をつなぐのか、電源をどこから得てどうつなぐか、などを明確にするのが実施設計です。
また、工事に必要な予算を決めて置き、
必要に応じて、補助金などを調べて置き、申請条件やその場合の収支計画を考えておきましょう。
設計の段階では、単に実施設計をするだけでなく、工事にかかわる許認可手続きや補助金の申請を行うこともよくあります。
昨今では、民間の工事でも50%補助を受けられることが多くなっており、導入には必須の手続きといってもいいかもしれません。
また、木質バイオマスボイラーの規模によっては消防の検査、さらにはボイラー用の建物を新規に建てるような場合は確認申請などの手続きが必要になりますので、この段階で事前の相談、申請手続きを進めておきます。
これらの計画をたてていくと、その先に続く設計や工事、運用でのイメージがかなり具体的になっていくと思います。
このような計画を作るには、まず専門家に依頼するのが良いかと思います。
その際は、木質バイオマスボイラーに関する実績や経験がある企業であった方が良いでしょう。
3.工事段階
これまで作成した実施設計の図面、予算に基づき、施工会社に工事を発注します。
工事は、規模にもよりますが、配管工事や電気工事、建築工事のいずれも難易度が高いものは基本的にはありません。
地元の施工会社(総合建設業)にまとめて発注したり、場合によっては配管工事や電気工事ごとに複数の発注をすることもあります。
ここまで進めておくと、発注者としては工事をお任せすることになりますが、
注意するのは、工事の目的や方針を施工会社にも伝えておくこと、試運転を丁寧に行うことです。
試運転では、複数の施工業者やボイラーメーカーが集まって行います。
丁寧に試運転の目的を各社に伝えて、
「バイオマスボイラーが安定して動くか」
「施設の暖房や給湯などに熱供給されて化石燃料の削減が達成するか」
などを確認しましょう。
4.運用段階
工事が終わると、いよいよ木質バイオマスボイラーの運用が始まります。
チップなどの木質バイオマス燃料の在庫のチェックのほか、
最低限でいいので日常点検を行いましょう。
日常点検では、以下のような作業が出てくると思います。
また、予想した光熱費の削減が達成できているか、
できていない場合はどのような改善ができるのか、
このような協議ができる管理体制が整っていれば、万全の体制といえるでしょう。
ここまで読んで、気になることがあるときは
いかがだったでしょうか。
木質バイオマスボイラーは、まだ普及途中の段階なので、
ここで全体像をお示ししても、導入するときに困ることも多くあると思います。
このような手続きを踏んでいないと、トラブルが起こる事例がいくつかあります。
そうならないためにも、弊社も1時間限定のWEB相談室を設けたり、超安価な簡易診断サービスなどを行っています。
みなさまのチャレンジの一助になれればと思いますので、ぜひご活用ください。
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