長野県の木質バイオマスボイラーの事例まとめ(県独自の補助金情報あり)

長野県の木質バイオマスボイラー事例

こんにちは、合同会社もりほっと代表の小川です。

長野県といえば、何を想像しますか??

登山が好きな私は、日本アルプスですね。
北アルプスなら上高地、
中央アルプスなら千畳敷カール、
南アルプスだと、甲斐駒ヶ岳(長野じゃないですね笑)

そんな長野県は広大な森林が広がる山岳地帯でもあるので、
木材を利用する木質バイオマスボイラーも各所で導入されています。

この記事では、長野県で導入された木質バイオマスボイラーのなかで、
特徴的な事例を厳選して3つ紹介しますね。

また、長野県としても木質バイオマスボイラーを普及させるために、
設備導入に対して補助金を設定しています。

こんなものも、あるのかー
と参考にしていただければ幸いです。

目次

  • 47都道府県の中で、長野県の木材生産は多いのか?
  • 長野県の木質バイオマスボイラーの事例を3つご紹介します。
    • 木曽町・長野県林業大学校(チップ)
    • 根羽村(薪)
    • 大町市・サントリープロダクツ株式会社(チップ)
  • 長野県内で限定して使える独自の補助金
  • もっと詳しく知りたいときは、こちら

47都道府県の中で、長野県の木材生産は多いのか?

農林水産省の「木材需給報告書」(令和3年度)によると、
長野県の素材生産量は、460,000㎥です。

これは、全国の47都道府県中、14位です。

北海道や九州があっての順位ですので、林業が盛んな地域と言えます。

県内では、カラマツがよく植栽されていますが、
スギやヒノキなども一部で生産されています。

長野県の木質バイオマスボイラーの3つの事例

長野県で木質バイオマスを導入している事例として、ここでは以下の3件を紹介します。

お断り

この記事でご紹介する3つの事例は、あくまで公開されている資料に基づいてご説明をしています。
弊社とこれらの事例とは必ずしも関係がないものもあります。
詳細についてお知りになりたい場合、施設や団体に直接ではなく弊社へご相談ください。

(1)木曽町・長野県林業大学校

長野県の南部に位置する木曽町では、長野県が設立した林業大学校があります。
この林業大学校では、令和3年度に学生寮の改築が行われました。
その際に、長野県が推進する「2050年ゼロカーボン」に向けた取り組みとして、暖房や給湯の熱源として木質バイオマスボイラーを導入したそうです。
それ以外にも、ほぼ100%の木材を県産材で建築する(そのほとんどは木曽地域の材を使っているそうです)など、先進的な取り組みを行った施設と言えます。

燃料は、木材のチップを使用しているようです。
オーストリア製のFrölingという会社のボイラーを輸入したそうです。
ボイラーの能力は、80kWで、効率は96.3%と非常に高い機器を使用しています。
このボイラーは、水分40%以下のチップを燃料として使用するので、少し乾燥したチップを購入する必要があります。
木曽町では、町内に「木曽町木質バイオマス事業協同組合」というチップ工場があり、そこから水分35%程度まで管理された良質のチップを購入しているそうです。
このボイラーで、木質チップを80トン使用する見込みとされています。

同型機の画像(Froling社HPより)

出典記事
木材保存(2022 Vol.48-2)「長野県林業大学校 木造新学生寮の竣工」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jwpa/48/4/48_204/_pdf
長野県林業大学校
https://nagano-rindai.ac.jp/?page_id=1604

(2)根羽村・薪ボイラー

長野県の最南端に位置する根羽村は、
総面積の92%が森林であり、
また三河湾に注ぎ込む矢作川の源流域に位置する村です。

豊かな森林ときれいな水という財産を活かし、
森や木材に関連する様々な取り組みを行っています。

その中で、
平成26年には高齢者福祉施設「ねばねの里」に
薪を燃料とする木質バイオマスボイラー(薪ボイラー)を導入しました。

その後も、平成29年度には、
新しい役場庁舎の暖房設備として薪ボイラーがさらに導入されています。

どれも、ドイツの企業であるVIESSMANNという会社の製品を使用しています。

株式会社森の仲間たちHPより

薪ボイラーなので、薪を手でボイラー内に投入していく必要があります。

しかし、薪であれば誰でも製造できるし、誰もが使える燃料なので、
あえて薪を選択したのが、この村の面白いところですね。

薪は、村内のNPO法人が製造しているそうです。
先ほどご紹介したねばねの里では、約300m3の薪を使用する見込みとのことです。

根羽村
https://www.nebamura.jp/
株式会社森の仲間たちHP
https://mori-nakama.org/casestudy/41

(3)大町市・サントリープロダクツ株式会社

大町市にあるサントリープロダクツ株式会社の「北アルプス信濃の森工場」は、
「サントリー天然水」を製造する拠点のひとつです。

ここでは、グループで初めて
「CO2排出量ゼロ工場」を実現する工場として整備されました。

そのなかで、令和2年度には、
チップを燃料とする木質バイオマスボイラーを設置しています。

あまり公表資料がありませんが、
トモエテクノが輸入するシュミット(スイス製)のボイラーと思われます。

株式会社トモエテクノHPより

燃料となるチップは、地元の北アルプス森林組合から供給されています。
3,000トン以上のチップを消費するとのことで、
比較的規模の大きい木質バイオマス熱利用の事例だと思います。

サントリープロダクツ株式会社
https://www.suntory.co.jp/factory/kitaalps/introduction/

長野県庁資料
https://www.pref.nagano.lg.jp/rinsei/kensei/soshiki/soshiki/kencho/shinrin/documents/12kaishiryou1.pdf

長野県内で限定して使える独自の補助制度

ここで取り上げた事例以外にも、多くの導入事例があります。

長野県は2050年カーボンゼロを宣言していますので、
これからも木質バイオマスの取組みが続いていくのではないでしょうか?

そんな長野県では、
県庁の予算で木質バイオマスボイラーに対する補助制度も行っています。

事例のご紹介に続いて、県独自の補助制度(補助金)もご紹介します。

長野県中小企業エネルギーコスト削減助成金

この助成金は、ここ数年の原油価格や原材料価格の高騰に対し、
県内の中小企業が省エネに取り組む支援策として設けられています。

対象となる設備がいくつかありますが、
木質バイオマスボイラーに関連する部分を抜粋しますね。

助成金名長野県中小企業エネルギーコスト削減助成金
助成対象 県内に本社所在地を有する中小企業者等
(県内の設備や建物が対象)
補助率2/3以内(対象経費 150 万円以下)
1/2以内(対象経費 150 万円を超える部分)
助成金額50万円~最大500万円
URLhttps://nagano-alps.jp/


この助成金であれば、省エネによるコスト削減を図る設備投資に、
50%以上の補助率で支援が受けられることになります。

また、この助成金の他にも、
木質バイオマス利用の計画づくりへの支援なども用意されています。

もっと詳しく知りたいときは、こちら

長野県での木質バイオマスボイラーの事例と、
県内の補助金のご紹介はいかがだったでしょうか?

この記事を読んで、

もっと詳しく知りたい

私たちでも補助金は使えるのかな?

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ひとりでお調べになるのも大事ですが、
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