木質チップの特徴や製造方法を、どこよりもわかりやすく解説!
そもそも、バイオマス燃料の「木質チップ」とは?
木質バイオマス燃料の中でも、チップは森林資源を有効活用する手段として注目されています。
主に間伐材や製材端材、それ以外にも建築廃材(木造家屋の解体材)などを細かく砕いて作られます。
このように木材を砕いて搬送しやすくすることで、自動搬送が可能になり、また燃焼時の制御も容易になるので、
木質バイオマスエネルギーを利用する上で、とてもポピュラーな燃料の形態です。
木質チップは、地域の林業や木材業で発生する木材を使用するので、地域のエネルギー自給や地球温暖化防止に貢献する燃料として、急速に普及が進んでいます。
この記事では、木質チップのメリットとデメリット、そして製造方法の種類などについて、解説していきたいと思います。
木質チップのメリット
木質チップのメリットとしては、再生可能エネルギーの燃料としてCO2排出の少ない燃料であるということ、その他に林業や木材業の副産物を使うことから、都会ではない地域の経済の活性化に役立つといわれています。
- 再生可能エネルギー:森林資源を循環的に利用でき、化石燃料の代替として持続可能。
- 地域経済の活性化:地元の森林資源を活用することで、林業や関連産業の雇用創出につながる。
- カーボンニュートラル:燃焼時に排出されるCO₂は、成長過程で吸収された分と相殺されるため、地球温暖化対策に有効。
- 廃材の有効利用:間伐材や建築廃材など、従来は廃棄されていた資源を活用可能。
チップのデメリット
一方で、木質チップのデメリットについても、説明をしたいと思います。
木質チップを使うときのむずかしさとしては、まず水分管理の必要性です。
これを詳しく説明すると、例えば日本で多く植えられているスギの水分は伐採時は50%くらいになります。
(木材の重量のうち半分が水で、半分が木材ということです)
このままでは水分が高すぎて、ボイラーでの燃焼のトラブルのもとになります。
したがって、丸太の状態で天日干しをする、チップを温風などに当てて強制的に乾燥するといった手法が必要になります。
その他にも、保管スペースが大きな容積が必要になることも、化石燃料に比べるとデメリットといえます。
また、原料も、間伐材から建築物の解体材であったり様々です。
それぞれの原料に合う加工方法があるので、原料と用途に合わせて加工方法を選択するのは、意外と難しい分野です。
チップというシンプルな燃料がゆえに、水分や寸法や保管のことが問題になるのは、
バリエーションが非常に多いということだと思います。
- 水分の管理が必要:水分が多いと燃焼効率が下がり、乾燥工程が必要になる場合も。
- 保管スペースの確保:かさばるため、大量に保管するには広いスペースが必要。
- 品質のばらつき:原料や加工方法によって燃焼特性が異なるため、安定供給には工夫が必要。
- 輸送コスト:軽くてかさばるため、長距離輸送にはコストがかかる。
チップの製造方法
チップの製造にはいくつかの方法があります。代表的なものは以下の通りです。
ドラム式チッパー
ドラムと呼ばれる回転体に複数の刃を取り付けて、回転するドラムに木材を当てて細かくチップ化する方式です。
刃で切削するタイプなので、切削式チッパーの一種です。
小型から大型まで幅広いラインナップがあります。
切削されたチップは、内部から風圧で排出したり、オプションでコンベアをつけて排出したり、
様々な形で排出されます。
製造効率は高いですが、刃物の摩耗具合や丸太の送り速度では、チップの均一性が変動します。
ディスク式チッパー
刃が取り付けられた円盤が高速で回転し、木材をチップ化する方式です。
どちらかというと、燃料よりも製紙工場のパルプ原料として選択されることが多いです。
したがって、主流は大型のタイプで、チップのふるい掛けなどもセットで導入されることが多いです。
最近では、可搬式の小規模なタイプも流通ができてきています。
ハンマーミル式
高速回転するハンマーで木材を粉砕する方式です。
このタイプは、切削式ではなく、破砕式と呼ばれるタイプになります。
細かいチップやパウダー状の燃料を作る際に使われます。
大きなバイオマス発電所に向いているほか、木くずの堆肥化や減量化などの用途で選ばれることが多いです。
詳しい情報や導入相談は…
木質バイオマス燃料の導入やチップ製造に関する詳しいご相談は、合同会社もりほっとまでお気軽にお問い合わせください。
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